衣服の機能性と快適性

摘要

衣服は、人体を包み、人間を取り巻く自然· 人エ等の様々 な環境から人体を保護するとと もに、社会的アイデンティティを表現する媒体 としての機能を有している。その環境が人体 にとって物理的?化学的?生物的危害をもた らすような場合は、安全性が最優先され、危 害の種類?性質に応じた防御機能を持つ防護 服が用いられることは言うまでもない。しかし この時、ある防護機能の優先によって、着用 者が著しく不快を生じ行動が制約されるよう な場合は、効率が低下し、かえって安全性が 損なわれることが危惧される。したがって防 護服の設計?開発においては、防護性に加え て快適性?表现性の視点からの配慮も必要と なる。本会参加者の多くは防護服の企画設計?生産に携わる方々、即ち防護性に関する専門 家であると推測されるため、本稿では、演者 が専門とする衣服の快適性を中心に、その研 究方法と2、3の研究事例を紹介させていただ くことで責を免れたい。