エルビウム添加ナノ粒子の波長1550 nm帯励起によるアップコンバージョン発光を用いた深部イメージング

摘要

生体透過性の高い近赤外光を用いた蛍光イメージング技術は,生体深部の観察対象を特異的に可視化できることから,マウスなどの個体を用いた生命科学研究に欠かせない技術となっている.近年,近赤外光で励起できる蛍光プローブの開発が盛んに行われており,量子ドット,有機色素,カーボンナノチューブ,希土類添加ナノ粒子といった新規近赤外プローブが報告されているこれらの近赤外蛍光プローブの登場で,連続発振レーザーやランプ光源を用いた簡便な装置で様々な近赤外蛍光イメージングが行えるようになっており,その応用範囲が大きな広がりを見せている.