アルミニウム産業の成長を支える材料技術--現状と課題

摘要

ただ今ご紹介いただきました住友軽金属の永田です。 伝統のあるこの水曜会でお話させていただくのは大変名誉なことでございますので，牧先生，村上正紀先生からの講演依頼をありがたくお受けした次第です。 本日の話の内容は演題にございますようなアルミ業界の現状と材料技術の課題を紹介させていただくもので，学術的な話ではございませんので，どうか気楽に一時間ほどお付き合い願います。 つい先日2003年度の我国のアルミの総需要が発表されました。 これによりますと2年連続で400万トン台を維持し，過去最高を記録しました。 とりわけ私どもが関係しておりますアルミ圧延品は，自動車向け板·押出材，飲料缶用板等の内需製品が好調であるのに加えまして，船舶，半導体·液晶装置向け厚板が新たな需要として加わったことにより設備能力一杯の生産が続いています。 なお，輸出は板材を主に24万トン程度でありまして，専ら国内を市場とする産業構造になっております。