不均質な性能を持つ無線LAN搭載ロボット群の移動協力リンクアグリゲーション通信の特性評価

摘要

近年，人の入り込めない地域で調査を行う仕事の需要が増加しており，そのような地域で運用するロボットシステムの研究が盛んにおこなわれている．そのシステムの1つとして，無線広域回線と無線LAN回線を持つ調査ロボットを複数用いて，移動協力を伴うリンクアグリゲーション通信で情報を転送するというシステムが提案されている．このシステムでは調査ロボットが通信性能向上のために移動協力することで高スループット通信を行うことができるが，ロボットは自身の担当場所を離れるため調査の質が低下するという問題を扱う．これは高スループット通信をゲイン，調査の質の低下をコストとしたトレードオフ問題として考えられる．このようなシステムでは，既にすべてのロボットが同じ性能であるモデルで評価が行われ，その特性が明らかにされている．しかし，ロボットの性能が不均質である場合に想定される，特徴的な性質には言及していない．そこで本研究ではロボットの性能が不均質である場合の評価を行い，システム特性を調査した．今回の調査の結果，移動速度と広域無線回線がヘテロであってもシステム特性にほとんど影響がないことを確認したが，各調査ロボットの調査効率がヘテロである場合にはシステム特性に影響を与えることを確認した．