木質構造の近未来形を考える

摘要

木質構造の未来は，と問われて，木質構造に関係されている人々からの答えは定まらないように思える。 私に問われても，私自身，もちろん明確に答えられない訳であるが，多分，木質構造に関係されている誰でもそう思われるに違いない。 しかしながら関係されている分野により，その明暗の分布は，異なっているものと思う。 国産材の増産を仕事にされている方々，林産分野で国産材の使用を伸ばそうと励んでおられる方々，木質系住宅を地場の木材を使いながら建設戸数を伸ばそうとしている方々，国内外に拘らず，良質で安価な木材を使用し木質構造の住宅を生産して業績を伸ばそうとしている企業#12539;社員の方々，少々考えただけでも，大きいくくりでは木質構造に関わっておられる方々の中にも，立場の相当異なる利害関係が多様な形で包含されていることに気付く。