透過的メモリ階層チューニングのための動的バイナリ変換機構の設計と開発

摘要

階層化されたメモリサブシステムを持つアーキテクチャにおいて高い性能効率を得るためには、既存のキャッシュメモリや一般的なコンパイラでは考慮されないメモリ階層間の特性の違いを意識したメモリ参照局所性を活用する必要がある。このようなメモリ局所性チューニングをコード実行時に動的に行うことを目指して、我々の研究グループでは動的バイナリ最適化機構を研究開発している。本報告では、ループタイリングに代表されるループ変換を適応することによりメモリ階層や異種メモリのパラメータの相違をアプリケーションのデータ参照局所性に適応的にマッピングする効果の予備評価を行い、実行時にプログラマから透過的にチューニングを行う機構の実現可能性を調査する。