KINECTを使用した正面歩行動作からのユーザ判別に関する研究

摘要

本研究では，KINECTにより得られた歩行動作の分析によるユーザの性別判別について検討するとともに、デジタルサイネージ分野への応用を目的としている。特に、歩行動作を正面から撮影した情報から、対象者の性別の判別を行う事を主な目的とする。KINECTを使用する大きな利点として、マーカレスモーションキャプチャが可能であるという点が挙げられる。歩行による男女の判別方法として、対象者の身体に特殊なマーカを取り付けた動作取得の例はいくつか報告されているが、町中の歩行者にマーカを取り付け、歩行動作を取得することは不可能なため、マーカレスの状態で動作を取得する必要がある。また、一般的なマーカレスのユーザ認識技術に歩容認証技術が知られているが、歩容認証技術では主に歩行者を横から撮影した画像が使用される。しかし、KINECTはその性質上、横向きの人物の認識に弱いという点があり、KINECを使った歩行動作解析はあまり行われていない。そこで、歩行者の正面歩行動作からマーカレスの状態で性別を判別する新たな手法を検討する。