OFDMブロードバンドパケット無線アクセスにおける繰り返し復号の回数を考慮したIrregular LDPC符号とターボ符号の比較

摘要

本稿では．OFDMブロードバンドパケット無線アクセスにIrregular LDPC (Low-Density Parity-Check)符号を用いたときに，パリティ検査式を用いた誤り検出結果から繰り返し復号を停止した場合の平均的な繰り返し数と，マルチパフェージングチャネルにおける平均パケット誤り率(PER: Packet Error Rate)の改善効果の関係を，チャネル符号化単位の大きさ，符号化率R，データ変調多値数をパラメータにして明らかにした．シミュレーション結果より，Irregular LDPC符号のBP (Belief Propagation) アルゴリズムを用いた復号（最大繰り返し数50回）において，平均PER＝10{sup}(-2)を実現する平均受信E{sub}b/N{sub}0（1情報ビット当たりの平均信号電力対雑音電力密度比）の条件では，チャネル符号化単位の大きさ，およびデータ変調多値数が平均的な繰り返し数に与える影響は比較的小さいものの，符号化率をR＝1/2，3/4，8/9と増大させるにつれて，平均的な繰り返し数はそれぞれ8,5,4 回程度に低減されることを示した．結果として，Irregular LDPC，符号はターボ符号（Log-MAP復号，繰り返し数8回に固定）に比較して,ほぼ同等の平均PER特性を実現しつつ，上記の平均的な繰見返し敬の点では，復号における計算量をR＝1/2，3/4，8/9 で，それぞれ17,8,4％程度に低減できることを示した．