SystemCのRTL記述を用いたSH互換プロセッサの設計

摘要

本稿では設計の後戻りを回避し，短TATなLSI設計を可能とするシステムアーキテクチャとして，従来のハードワイヤードロジックで実現していた機能を，その処理に特化した小型CPUとROMで実現するための小面積CPUについて論ずる．仕様のバグはROMの修正で対処でき，プロセッサのレイアウトに影響しない．従って初期段階からハードウェアとソフトウェアを同時に設計できる．この手法の第1段階として我々はなるべくハードウェアコストを下げたプロセッサを設計した．命令セットは日立製作所のSH－2互換とし，ハーバードアーキテクチャを採用した．その結果，従来のプロセッサと比較して小面積のプロセッサが設計できた．本設計はSystemCのRTL記述を用いて行った．SystemCのRTL記述は従来のHDLと記述の違いはあるが，充分なシミュレーション速度が得られることがわかった．