エスパアンテナの空間相関に関する一考察

摘要

オムニビーム及び6方位のセクタビームを使用して7種の受信信号系列を所望波及び干渉波についてそれぞれ取得し，それら受信信号系列の相互相関を求めてエスパアンテナの空間相関として定義することを提案する．定義するエスパアンテナ空間相関の定式化の後，従来のDBFアダプティブアレーにおける空間相関との比較を行い，それらの間に類似の傾向があることを示す．平均ビット誤り率と出力SINRの関係から干渉波抑圧可否の判断基準となるエスパアンテナ空間相関のしきい値を見出す．一例として，入力SIR＝0dBかつ入力SNR＝20dBの場合において，平均ビット誤り率10{sup}(-3)以下を満たすためには空間相関しきい値0.9以下が必要であるという結果を示す．