CDMA復調ダイナミクスとビット誤り率の関係

摘要

CDMA復調にはいくつかの方法がある．最も精度良く復調する方法としてベイズ最適なマルチユーザ復調方式がある．しかしながら，この復調方式はNP困難であるため，準最適なマルチユーザ復調方式が提案されている．この準最適な復調方式の一つとしてマルチステージ復調方式がある．マルチステージ復調方式では同期型ダイナミクスにより復調を行う．同期型ダイナミクス以外に，非同期型，連続時間型，有限温度型ダイナミクスによる復調方式が考えられる．これらの復調方式は理論的に解析されている．しかしながら，各復調方式の違いについては議論されていない．SCSNAを用いた解析により得られた平衡状態におけるビット誤り率(BER)と，各復調方式の平衡状態におけるビット誤り率を比較した結果，負荷がある程度小さい場合は，各復調方式のビット誤り率は一致した．しかしながら，双安定領域が存在するときの負荷では各復調方式のビット誤り率は一致しないことが分かった．また，各復調方式を比較すると，連続時間型ダイナミクスが最も良いビット誤り率を示した．