4.6μm帯差周波光源を用いた植物栽培時に発生するN_2Oのその場測定用ガス検出システム

摘要

我々は直接接合法で作製した擬似位相整合LiNbO_3（QPM-LN）リッジ導波路を用いた4.6μm帯差周波光源を作製し、本光源を人為的N_2O発生量が多い農業分野へ適用するためのリアルタイム·その場ガス監視システムを開発した。作製した4.6μm光源により、室温CW動作で0.62mWの出力を得た。また、N_2O標準ガスを用いて、システムの検出限界が35ppb（大気中の1／10程度）であり、植物栽培に伴って発生するN_2O検出に充分な感度を持っていることを確認した。本システムを植物栽培の現場に適用することにより、施肥とN_2Oの濃度上昇の間に強い相関がある事を示唆する結果を得た。これにより、本システムを用いることで植物栽培時に放出されるN_2Oの濃度を一定の期間にわたって十分な精度と時間分解能で測定できることを明らかにした。