電源線伝導高周波電流の測定装置

摘要

電子機器から発生する電源線伝導妨害波電流を測定する新しい装置を開発した.本装置は、電源線に沿って配置されたシールディッドループ電流プローブと180°ハイブリッド回路から構成されており,従来電源線伝導妨害波の測定に用いられていた擬似電源回路網では困難であったコモンモード成分とディファレンシャルモード成分を分離し,同時に測定することを可能にした.まず、本測定装置の応答に関して理論的な考察を行い、いかなる特性が重要であるかを明らかにした.次に、実際に測定装置を試作し,各モードの分離特性及び変換特性の評価を行い、問題点等を考察した.また,本測定装置を用いて電子機器からの電源線伝導妨害波を測定し,擬似電源回路網による測定値との相関を示し,本測定装置が電源線伝導妨害波の測定に有用であることを明らかにした.