クランク－ニコルソン法による損失不均一線路解析の数値安定性

摘要

線路方程式を時間領域で直接差分近似して解くFDTD法にクランク－ニコルソン法の考え方を応用して，クーラン数が1を越えても安定に計算を進められる一方法（CN-FDTD法）を提案している．また，安定性解析を行ない，無損失の場合は中立安定であることを確かめている．得られる更新式は連立1次方程式になるが，その係数行列は3重対角行列なので，FDTD法と比較して計算量の増加はほとんどない．数値例により，本方法の有効性を確かめると伴に，線路の損失が増加すると，解析の誤差が減少することを示している．