水質検査機関等での水質検査におけろ精度と信頼性保証: 登録制度化への対応を中心に

摘要

このたび水道水の水質基準がおよそ10年ぶりに改正され，さらに高品質な水道水を供給する義務が水道事業体には課せられた。 水道水の品質を判定する水質検査結果が真に正しい数値でなければ水質基準そのものの信頼性が損なわれることであろう。 今回の水質基準の改正の重点は，水道水の品質管理および検査精度と信頼性保証のために，国際的な優良試験所認定（GLP）制度を導入して，検査結果を国際水準に合わせ，利用者に安心#12539;安全を宣言するものである。 最近，食品分野等で産地や品質の虚偽表示や輸入野菜の農薬問題などが報道され，品質管理システムや検査結果への不信が日立っているが，検査結果の品質管理システムこそ試験所の生命である。 国際的にもISO/IEC 17025の優良試験所認定の取得が進み，今後，さらに試験機関の能力判断にISO/IEC 17025が重要になるものと考えられる。 微量成分を検査する水道水質の試験所にあってもISO/IEC 17025の認定取得は，国際水準の能力を有する試験所として利用者に対する信頼性向上に貢献する絶好のチャンスである。 それぞれの試験所がISO/IEC 17025の取得に当たっては，以前から信頼性のおける機関が実施する技能試験に参加し，試験所内および試験所間の精度管理を行ない，平常時から精度管理を確実に行なうことが必要である。 ㈱日本環境測定分析協会では，全国の試験所を対象に優良試験所認定に必要な技能試験を定期的に実施し，試験所の能力向上に努めているので，これを利用することも考えていただければ幸いである。