E／H型の伝送界について

摘要

いわゆる伝送波はマクスウェル方程式から解析的に導かれてきたため，その幾何学的な構造についてはあまり重視されてこなかった．本論文では，伝送波への解析的な従来の思考過程からの逆転の発想を試みている．すなわち，E／H型の伝送現象をエネルギー移動別に出発した純代数的な伝送界として定義する．そして，その界の性質としての伝送現象の構造を幾何学的に明らかにしている．更に，この代数的に定義された伝送界がマクスウェル方程式を満たすとき，従来の伝送波と一致することを示している．