電流誘起磁壁移動現象を用いたロジック回路の作製

摘要

電流による磁壁の移動はレーストラックメモリをはじめとしたメモリデバイスに応用が可能であり、注目を集めている。今回の研究では、磁壁の移動現象をロジック回路として応用するための基礎研究を行った。試料としてY字型の磁性細線を作製し、2つのinput部から導入した磁区を結合部で融合あるいは消滅させることにより、ロジック回路として動作させた。結果として、1つのoutput部からAND回路に相当する磁区を得ることに成功した。また、幅の大きいPtのワイヤの上にY字型の磁性細線を配置することでPtからY字型細線にスピンオービットトルクを注入し、細線の形状によらないロジック動作を確認した。その結果、Ptワイヤ上のY字型細線の磁壁を電流によって動かすことが可能であることが分かった。