マルチ·キャリア·システムの電圧瞬時値の累積確率分布

摘要

マルチ·キャリア·システムの電圧累積分布はキャリア数の増加とともにガウス分布に近付くと考えられている。 しかし、キャリア数とフィッチング精度の関係は明らかにされていいない。 今回、特性関数法を用いて信号電圧瞬時値に対する確率密度関数を正確に求める方法を提案した。 これを用いてピーク電圧の発生頻度に対応する分布の周辺部分をガウス分布と詳細に比較した。 その結果、以下の事がわかった。 （1）周辺部の分布形状はフィルタ構成に依存する。 （2）時間領域ウィンドウを用いた場合と個々のサブ·キャリアを個別にフィルタリングする場合（スタガード）はキャリア数100以上では十分ガウスに近付く。 （3）広帯域フィルタで全キャリアを一括フィルタリングすると周辺部がガウス分布よりも0.2dB程度広がる。