LTE-Advanced上りリンクにおける交差偏波アンテナを用いた閉ループ型2-by-2 SU-MIMOのスループット特性の屋外実験結果

摘要

本稿では，LTE-Advanced上りリンクにおける閉ループ型2-by-2シングルユーザ（SU: Single User）-MIMOについて，基地局および移動局で交差偏波アンテナを用い，移動局のアンテナ角度および送信アンテナの不等利得がスループットに与える影響を，実伝搬環境の屋外実験により明らかにする．本評価では，2コンポーネントキャリアのキャリアアグリゲーション（40MHz帯域幅）を適用し，適応変調·チャネル符号化およびハイブリッド自動再送要求を行う場合の，閉ループ型送信ダイバーシチ（Rank 1）およびMIMO空間多重（Rank 2）により実現するスループット特性を評価する．屋外実験結果より，交差偏波アンテナを用いる2-by-2 Rank-2 SU-MIMOは，アンテナ角度によらず，同一（垂直）偏波アンテナに比較してスループットを大幅に改善し，200Mbps以上のスループットを実現する測定コース内場所率を拡大できることを示す．また，2-by-2 Rank-1 SU-MIMOは，アンテナ角度によらずほぼ同一のスループット特性を実現することを示す．更に，交差偏波アンテナを用いる2-by-2 Rank-2 SU-MIMOは，12dBの不等利得を考慮する場合でさえ，測定コース内の60％以上の場所率において，1-by-2 SIMOに比較して，スループットを増大できることを明らかにする．