端末共同干渉キャンセラのための移動端末デュアルバンドアンテナの開発

摘要

セルラーシステムへMIMO（Multiple-Input and Multiple-Output）技術を導入することでダウンリンクのスループットを向上させる手法が検討されている．近傍にある複数の移動端末が基地局から受信した信号をより高い周波数帯で共有することで，移動端末側のアンテナ数を仮想的に増大させたMIMOシステムを構築する端末共同干渉キャンセラ（Collaborative Interference Canceller，CIC）が提案されている．CICの実証実験のため，利用周波数帯として4.45GHz帯と12.9GHz帯の特定実験試験局の免許を取得している．しかし，4.45GHz帯もしくは12．9GHz帯の無線通信に利用できる無指向性のアンテナは入手困難である．本稿では，4.5GHz帯と12.9GHz帯のデュアルバンドにおいて放射効率の高い無指向性のプリントモノポールアンテナを設計試作する．試作アンテナのVSWR（Voltage Standing Wave Ratio）および放射パターンを測定し，その特性を評価する．また，試作アンテナの小型化手法について，計算機シミュレーションを用いて検討する．