電子磁気共鳴(ESR)の臨床応用

摘要

電子磁気共鳴法(electron spin resonance, ESR)と類似原理のスペクトメトリーである核磁気共鳴法(nuclear magnetic resonance, NMR)が画像化で先行し，広く医療応用されているのに比べるとESRは未だ一般医家の認知を得ていない。 ESRの画像化についてはL-バンドESRでの試みは進展しているが，未だ感度の問題より，NOのトラップと外部から投与されたニトロキシドラジカルの検知に留まっている。本稿では生体ラジカル測定装置としてのESRの役割と可能性を中心に従来の研究と現状を考察したい。