食肉加工品および冷凍食品からのアレルギー物質（卵、乳）の検出に関する検討

摘要

近年，何らかのアレルギー症状を持っている人は3人に1人の割合となることが報告され，平成15年度に神奈川県教育委員会が実施した，県内の小，中学校などへの実態調査の結果，最も多い学校では児童の約40％が食物アレルギーを持っていることが明らかとなった．アレルギー性疾患は，アナフィラキシーといった重篤な症状を示すはか，乳幼児期の卵や乳を中心とした食物アレルギーの発症を契機とする場合が多く，この時期からアレルギー物質を含む食品の摂取をコントロールすることが，自然治癒や症状の軽快化につながる重要な要素であることを専門の医師は提唱している．このような背景のなか，加工食品での予期せぬ摂取によるアレルギー発症例から，原材料に関する情報提供を望む声が高まり，加工食品におけるアレルギー物質の表示が義務化されることとなった．