アルコキシシロキサンの合成とその材料への応用

摘要

アルコキシシランは有機ケイ素化学における最も基礎的な化合物群であり，シリコーンに代表されるポリシロキサンの原料として重用されているのは周知のことである。 なかでも，テトラエトキシシランのような四官能性アルコキシシランSi（OR）4は，その反応性を制御することによりさまざまな主鎖構造を有するポリシロキサンの合成が可能になるので，注目される材料である。 たとえば，式（1）～（3）に示すように二つのアルコキシ基を加水分解重縮合することにより直鎖状ポリシロキサン（Si（OR）2O）nが，三つのアルコキシ基を加水分解重縮合することによりはしご状またはかご状ポリシルセスキオキサン（Si（OR）O3/2）乃が，四つのアルコキシ基を加水分解童縮合することによりシリカSiO2が生成すると期待される。