FDTD法による有機太陽電池用ハイブリッド反射防止構造の光学解析

摘要

本研究では，有機薄膜太陽電池のための，モスアイ構造と多層干渉膜を組み合わせたハイブリッド反射防止構造の検討を行う．有限差分時間領域法（FDTD法）による光学シミュレーションを用いた，ハイブリッド反射防止構造の最適化アルゴリズムを構築し，幾何学形状の最適化を行った．提案するアルゴリズムは2段階で構成されており，第1段階でモスアイ形状を最適化した後，第2段階で，第1段階の解を利用して，ハイブリッド構造全体の最適化を効率的に行う．最適化されたハイブリッド反射防止構造をP3HT：PCBM型有機太陽電池に導入することで，短絡電流密度が約10％増加するという結果が得られた．