燃料移送ポンプと周辺機器の取扱いについて

摘要

ポンプの仕事は「流体を移動する」に集約されるが，仕事がシンプルな割にクリアしなければいけない課題は多い。この課題は用途によって異なるもので，それをクリアするためにポンプの形や構造に違いが生じている。非常用発電の「燃料移送ポンプ」は，送る流体が常温の燃料であるほか，吐出し量や吐出し圧力で絞り込み，吸込み条件が決め手となってギヤポンプを採用している。非常用という重要な役割をもつ装置の主要部品として，燃料移送ポンプを長く安全に使用できるよう，燃料移送の配管イメージを簡略化したものを第4.3.1図に示した。液体を移動させる際に起動するのはポンプだけだが，ここでは周辺機器の役割ゃ据付け工事，運転前準備等，燃料移送ポンプの特徴と注意点について，ポンプメーカーの視点から述べていきたい。