DGPS用MF帯電波の夜間電離層伝搬特性

摘要

現在海上保安庁において運用されているDGPSにおいては、GPSの測位誤差を補正するための信号がMF （中波）帯電波を利用して送信されている。 しかし、ある海域で日没から夜間にかけて同一周波数局相互で地上波と電離層反射波の相互干渉が生じていることが考えられる。 夜間海上における中波放送の電界強度予測法としてはITU-R が勧告する予測法があるが、この予測法では不十分である。 これに対し、Full Wave計算を用いて理論的に厳密な電界強度を求める方法がある。 今回、海上保安庁所属の測定船「つしま」に乗船して単一周波局の夜間伝搬特性を実測し、Full Wave計算による夜間電離層反射波の理論計算との比較を行った。 その結果、測定値と理論値とがほぼ一致し、地上波と電離層反射波の相互干渉が生じている可能性が高いことを確認した。