複数電源－グラウンド層対をもつ多層プリント板からの不要電磁放射低減の検討

摘要

電子実装の高密度化に伴い，複数の電源－グラウンド層対をもつ多層プリント板が広く用いられるようになった．本論文では，信号層を4層，電源－グラウンド層をそれぞれ2層もつ8層プリント板を対象に，不要電磁放射低減を実験的に検討した．従来のプリント板では，いずれの層構成，トレースの経路でも，電源－グラウンド層の共振によると考えられる不要電磁放射のピークが発生した．そこで，層構成を信号－グラウンド－電源－倍号－倍号－電源－グラウンド－信号とし，二つのグラウンド層の周囲端部を縦配線で接続したプリント板を開発した．本プリント板では，不要電磁放射の最大電界強度が12dB低減され，また，周波数特性ではピークが消滅したことを確認した．