気象用小型高距離分解能レーダの開発と初期観測結果

摘要

本論文では，mW級のパルス圧縮技術を用いた広帯域バイスタティツク降雨レーダ（ブロードバンドレーダ）の開発#12539;絶対校正#12539;観測を行い，近接して設置してあるDisdrometerとMicroRainRadarとの間で相互に比較#12539;検証を行った結果を述べたものである．本研究で開発を行っているブロードバンドレーダとは，80MHzの広帯域信号を送受信できるレーダであり，パルス圧縮技術を用いることで約4mの高距離分解能を実現している．また，本レーダでは送信部において任意信号発生器を使用し，更に，IF信号を直接A-D変換ボードで記録しソフトウェア上でパルス圧縮処理をすることにより，フレキシブルな処理検討が可能でかつ低出力#12539;安価なレーダシステムとなっている．初期観測結果としては，鉛直方向の降雨観測において，低高度高分解能な鉛直プロファイルが待ることができ，また他の観測機器との比較では非常によく一致する結果が得られた．