光再構成型ゲートアレイの高速スクラビング

摘要

宇宙空間で使用される組み込みシステムは宇宙放射線の影響を受けるため，高い放射線耐性が求められる．そのような中で，Field Programmable Gate Arrays（FPGAs）は仕様変更が容易なため宇宙空間での利用が期待されている．しかし，FPGAのコンフィギュレーション情報はSRAMに蓄えられるため，放射線の影響を受けやすく，一時的に情報が変わるソフトエラーが頻繁に発生する．そのため，定期的にEEPROMからSRAM内の回路情報をリペアする必要があり，外部スクラビングが用いられる．しかし，FPGAのEEPROMからのスクラビング周期は100ms程度と長く放射線耐性を高める際のネックになっている．本稿では，我々が研究開発を進めている光再構成型ゲートアレイでの高速スクラビング手法について報告する．光再構成型ゲートアレイはレーザアレイ，ホログラフィックメモリ，光再構成型ゲートアレイVLSIの3要素で構成されており，光によって完全並列に回路情報をダウンロードでき，超高速のスクラビングを実現することができる．本稿では，FPGAより圧倒的に短周期である10μsの高速スクラビングの試験結果を報告する．