音声発話における音量変化に伴う強調箇所認知の分析

摘要

我々は，音声対話知的教育システムにおいて，学習者に対して効果的な指導を行うために，強調の表現方法とその教育的効果ついて研究を行っている．強調を含む発話表現は様々な韻律によって構成されており，主に強さ·高さ·速さ·間が挙げられる．本稿では，韻律を強さと高さとに限定し，音声合成によって強調発話を行い，人が強調を知覚する境界を分析するために実験を行った．また，人が強調を行う場合，どの程度の韻律の変化が行われているかを分析するために実験を行った．前者の実験結果から，人が強調を知覚する閾値が，強さは120％～140％，高さは110％～120％であることが分かった．後者の実験結果からは，人が強調発話する場合，20％～30％の音量を増大させ，間の挿入や語尾のピッチの増大，高ピッチの持続の発話表現を併用していることが確認された·