段ボールケースにおける在庫削減に向けた取り組み

摘要

段ボール製品の素材は紙であるため加工が容易であり，包装する内容物に合わせていろいろな形や大きさにすることができる。使う紙の種類を変えることで，撥水性や耐水性，鮮度保持などの性質を持たせることも可能であり，簡単に開封できるようにミシン目を入れたり，組み立てと同時に底が閉じすぐに使える箱になっていたりと，機能性にも工夫を凝らした多種多様な製品が考案されている。これらはすべて規格品ではなく，1点1点求められる用途に合わせて製作したオーダーメイドであるため，多品種となり小口ロットの場合も多い。ひとつの工場で扱っているアイテムは1万点をゆうに超え，1日に生産する段ボール製品は300種類以上にもなる。このような段ボール製品を注文を受けたままに製造していると，生産性や製造ロス率は悪化し在庫も膨れ上がる。本稿では，製造計画作成段階で生産性の向上や製造ロス率の低減，できる限りムダな在庫を持たないなどについてのレンゴー㈱の取り組みについて紹介する。