現場重視と連携強化による物流改善

摘要

三菱電機㈱静岡製作所は，「人と地球環境に思いやりのある確かな技術で，健康で快適な暮らしを創造し，お客様に満足と感動と未来への安心をお届けする」の経営理念のもと，最先端技術を駆使した冷蔵庫／家庭用ルームエアコン／業務用パッケージエアコン／ヒートポンプ給湯用熱源機／高効率圧縮機の開発?製造を担っている（図表1）。生産活動は国内に留まらず，経済成長著しいタイ／中国，空調·ヒートポンプ需要が高い欧州のスコットランドに海外生産拠点を配置したグローバルな生産体制で，全世界へ製品を供給している。冷蔵庫／空調事業は，価格下落，円高，原油·素材高騰，世界経済の行先懸念，環境問題など非常に厳しい経営環境下にあるが，静岡製作所では，この厳しい環境下での国内外競合メーカーとの犠烈な競争を勝ち抜くため，生産活動のあらゆるプロセスにジャストインタイム（JIT）活動を展開して，競争力と経営体質の強化を図っている。本稿では，静岡製作所が取り組んでいる様々なJIT活動のなかから，製品物流改善にスポットをあて，「現場重視」イ連携強化」を切り口にした活動で改善効果を上げた事例を紹介する。