顔による個人認証技術と応用

摘要

社会の電子化やオープンネットワーク化に伴い，本人認証を必要とする機会がますます増えてきている．われわれの身の回りだけでも，コンピュータへのログイン，銀行ATMでのキャッシュカード利用，クレジットカードの利用，会社やマンションへの入退場などを，その例として挙げることができる．通常，これらの場面で個人認証を行う場合には，パスワードや暗証番号などを利用する知識認証と呼ばれる方法，または磁気カードやICカードを用いる所有物認証と呼ばれる方法が一般的である．しかし，これらの方法は，パスワードを忘れたり，盗まれる危険性，カードを盗まれたり偽造される危険性があり，充分な方法であるとはいえない．特に知識認証では，使用場面が増えたときに多くのパスワードを記憶しつづけることが困難である．