ビデオゲームの進化と開発側の課題

摘要

筆者は，商業アニメーションのアニメータから黎明期のゲーム開発会社に移り，業務用，家庭用，スマートフォンアプリまでビデオゲーム開発に従事した．黎明期のビデオゲームグラフィックスは，アニメータ出身者にとってはマシンスペックの制限から映像表現に制約が多かったが，3DCGリアルタイムアニメーションの採用が常識化して以降，制約は極小化に向かい，今日に至ってはマシンスペックの方が先行した状態にあると言っても過言ではない．これは，ゲーム専用機が表現メディアとしては「ほぼ完成状態」に近づいたことを意味する．あとはコンテンツ次第ということになる．ビデオゲームの開発現場は，ゲームプラットフォームの進化に挑み表現の幅を拡大しながら市場を拡大していった歴史であったが，今後さらに発展するにあたっての課題を考察したい．