新潟県における牛白血病発症例の臨床成績の検討

摘要

牛白血病（BL)の臨床診断向上を目的として，2001-2011年で新潟県において診断されたBL発症牛 64頭の臨床症状および臨床検査成績を調査した。BLは毎年発症例があり，元気、食欲低下，削痩， 発熱，下痢'軟便，眼球突出などの症状が認められた。体表リンパ節の腫大は58 (35/60)，直腸検 査による腫瘤または腫大リンパ節の触知は83 (40/48)で認められた。BLウィルス抗体は97 (61/63) で陽性，異型リンパ球は93 (40/43)で陽性であった。BLが疑われる症例においては，直腸検査によ るリンパ節、腫瘤のスクリ-ニングと，血液塗抹によるリンパ球形態の検査を行うことで診断の確実 性が高まると考えられる。