Talk to Talk 彼我にさまよい

摘要

親しみに心通いの和み，それを断ち切るように旅立った。何時かはわが身，とかの遺影に哀悼を献じつつも，生い立ちを理解し合った友情は深かった。と，瞑目のまま，しばし嘆きに時を委ねていた。米寿に向けてまでも育ませてもらえた温情に，謝意を込めて。彼に掛けた青春時の重荷には申し訳なさがー杯，詰め込まれていたであろう。友情に漂うわが優柔不断さへの戒めを今まで生かし得ていたのか。賢友との稀有な来歴に，それらの温情に，謝意を込めつつ。かつての，己が未熟さ故に生じていた幾多の難事が，深い自戒となって蘇ってくる。彼との友情に，自分が背負っていた害の役割をどこまで果たし得ていたのか，と悔悟は深まる。周回遅れでも，己が役割に気づき得ていたなら共助に役立つことだって，と。わが自覚の希薄さゆえに，その役割を成し得なかった。単独では生存不能な現実に，豊かさへの望みだけは満たそうと，勝手な夢を描いていたからか。何とも未熟で浅はかな上に，我が儘な生き様に浸り切っていた，と顧みて。