産業技術総合研究所計量標準総合センターの認証標準物質

摘要

国立研究開発法人産業技術総合研究所計量標準総 合センター(NMIJ： National Metrology Institute of Japan)では、国家計量標準機関として、化学計測にお いて測定値を決定するために必要な正確に値付けされ た認証標準物質(CRM： Certified Reference Material) を開発·供給している。CRMは、分析機器の校正やト レーサビリティの確立、分析法·分析値の妥当性確認 などに使用することができる。NMIJより供給する CRM(NMIJ CRM)は、計量トレーサビリティが確立 された標準物質であり、ISO 17034及びISO/IEC 17025の要求事項に適合したマネジメントシステムに 基づいて生産·管理している。なお、このマネジメン トシステムは、独立行政法人製品評価技術基盤機構 認定セノター(IAJapan： International Accreditation Japan)の製品評価技術基盤機構認定制度(ASNITE) による認定を受けて運用している。NMIJ CRMは、材 料標準物質(EPMA用、膜厚·超微細空孔·イオン注 入量測定用、ナノ粒子計測用、ファインセラミックス 用）、高純度無機標準物質、有機標準物質（純物質、定 量NMR用、標準液、臨床検査·バイオ分析用）、高分 子材料標準物質、環境組成標準物質（環境分析用、食 品分析用、化学形態分析用標準液)、グリーン調達対応 標準物質、高圧ガスおよび熱物性標準物質に分類され る。これらNMIJ CRMの認証書の見本や最新の情報は、 NMIJウェブサィトの「NMIJ認証標準物質(NMIJ CRM)」のぺージ(https://unit.aist.go.jp/qualmanmet/refmate/)から閲覧可能である。また、標準物質総合 情報システム(RMinfo)では、NMIJ CRMだけではなく、 日本国内の50余りの機関が提供するCRMおよび標準 物質の情報が検索·閲覧可能である(https://unit.aist.go.jp/qualmanmet/refmate/rminfo/RMinfo/)。 RMinfo には現在、NMIJ CRMを含め、約8,500の標準物質が 登録されている。