環境影響評価手法(LIME2)を用いた同一流入水に 対する4種類処理プロセスの環境影響評価の比較

摘要

K市T水環境保全センターは，日本でも有数の処理能力を有する大きな下水処理場のーつである。同センターの特徴として，処理量の多さとともに，その処理方法の多様さが挙げられ，センター内では各種の処理法を用いて処理を行なっている。今回，同センターで用いられている，標準法，AO法，A2O法，ステップ流入式多段硝化脱窒法の実データを基に，被害算定型環境影響評価法のLIME2を用い，環境負荷を割り出し比較検討を行なった。その結果，絶対値は異なるものの，相対的な傾向は，全国の処理場データより得られた環境負荷結果とよく一致しており，数値化されたLIME2の結果は普遍性をもっていると考えられ，今後，増えていく設備更新時等では，更新の前後の評価手法として，水質に加えて温暖化の影響も加味したLIME2の活用が有用であると考えられた。