COVID-19の感染リスクを考慮した飲食店における着座管理モデル

摘要

新型コロナウイルス（COVID-19)が流行し，多くの飲食店では感染症対策ガイドラインに従った店舗の運用を行っている．営業時間は政策により強く制限される一方，営業時間内の運用方法については店舗ごとに独自の対策を行っているのが現状である．飲食店における感染リスク増加を抑えるには客同士が適切な距離を保つことが重要である．現在の店舗運営ではあらかじめ作成した座席表に従い客が自由に座席を選ぶ，という運用が多いように思われる．一方，客の着座位置を適切に管理できれば大きく感染リスクを削減できる可能性がある．そこで本研究では，感染リスクの増加を効果的に抑えるような客の着座管理手法を提案する．提案した手法は感染リスクの増加を抑えるだけでなく，単一のパラメータ設定で店舗全体の感染リスクと店舗の利益を調整することが可能である．