スイ力(Citrullus lanatus)果実中のァ-アミノ酿酸(GABA)含量について

摘要

高血圧は，脳や心臓などの血管障害や高血圧性心疾患 などを引き起こす最も重要な危険因子である。2017年に おいて，高血圧症の患者数は9, 937千人となり，生活習 慣病の中でも最も多い1)。50歳代男性では約5割，70歳 代ではおよそ3分の2が高血圧症に分類される2)。女性 では，閉経期を境にして高血圧症や高脂血症が増え，男 性の割合に近づくといわれる。高血圧症の発症,重症化の予防は基本的には個人によ る運動習慣の徹底や食生活の改善にある。高血圧状態に ならないよう対策することで，脳や心臓の血管における 合併症の発症を確実に予防し，かつ死亡率を低下させる ことが，これまでの多くの報告で明らかにされてい る2u)。高血圧症予防の対策の一つとして，日常の食事 の中で，血圧低下作用を有する食材を摂取することが役立つと考える。血圧の低下に関与する成分の一つに，ァ-アミノ酪酸（GABA)がある。非タンパク質構成アミノ 酸の一種であり，マメ科やナス科，アブラナ科，イネ科 などに含まれる。特に，野菜中において，トマト，ナス ニンジンでは，100 g新鮮重当たり20 mg以上と報告され ている。