2.富山県合同輸血療法委員会看護師部会での活動と役割

摘要

学会認定?臨床輸血看護師制度(以下，臨床輸血看護師制度)は輸血に関する正しい知識と的確な輸血看護により，輸血の安全性の向上に寄与することのできる看護師の育成を目的として2010年に導入された2021年までに臨床輸血看護師制度に合格した看護師は全国で2012名である.この認定制度は更新制で5年毎に認定更新をする必要がある.更新しているのは約6割で，現在全国の学会認定臨床輸血看護師(以下，臨床輸血看護師)数は1568人である.約4割が更新しておらず，臨床輸血看護師としてのモチベーションを維持出来ないことが要因の一つだと考える.私は2015年に臨床輸血看護師となり,院内活動として新人看護師への輸血に関する研修会やマニュアルの改訂などを行ってきた.活動をしていく中で,臨床輸血看護師の活動に対しての不安や疑問が出てきたが，当院には臨床輸血看護師は一人だけのため,同じ立場の人に思いを表出したり話し合いをして課題を見出すことが出来なかった.そのような状況の中，私は富山県合同輸血療法委員会看護師部会（以下,看護師部会）の一員となった.看護師部会に入り，他の病院の臨床輸血看護師と活動内容や課題，対応方法などの情報や意見を交換する機会を持ち，仲間がいるという心強さを実感することが出来た.また,県内の看護師や臨床輸血看護師を対象とした輸血研修会を共に開催し,活動の幅が広がり臨床輸血看護師の活動に対して少しずつ前向きになり，自身の役割や課題を見出すことが出来た.今後は看護師部会で得た知識や活動内容を院内で伝達や啓蒙し，臨床輸血看護師の活動や役割を知り興味を持ってもらえるようにしていきたい.そして臨床輸血看護師の仲間を増やし協働していくことで,安全な輸血療法の実施に繋げていきたい.