高齢の尋常性天疱瘡患者に選択的血漿交換療法を行った1例

摘要

93歳男.脳梗塞の既往がありアスピリン内服中.尋常性天疱瘡の診断でステロイドと免疫抑制剤の内服，大量免疫グロブリン療法を行ったが,抗体価は上昇し，臨床所見は悪化，口腔内のびらんから出血がみられた.単純血漿交換を計4回，選択的血漿交換を計2回施行すると,抗体価は低下し,口腔内と陰茎のびらんは改善傾向となった.出血傾向の患者に対して凝固因子を保持できる選択的血漿交換は有効と考える.