高齢者のParkioson病高齢での発症を中心に

摘要

高齢発症のParkinson病は非典型的な症状を呈し,進行が早い傾向にある. 高齢者はさまざまな合併症を有しているため,治療の有効性が乏しいことがある. 今後の治療や療養の計画を立てるために,初めに専門医の受診をすることが望まし い.80歳男性.腰部脊柱管狭窄症で整形外科を受診中である.高血圧症と糖尿病のため内服加療中で,5年前に脳梗塞に罹患し軽い左片麻痺があり,歩くのがやや不自由だったが介助なしで歩くことができた.3年ほど前から髪を洗うときに,右手がうまく 動かないと感じるようになった.1年ほど前から姿勢が前かがみになり，歩き始めの一歩が 出づらくなった.歩き始めてしまえばあまり問題を感じなかった.年齢や腰のせいかと思っ ていたが,半年ほど前から歩いていると止まりづらくなって何度か転倒するようになり， 周囲の人から勧められて家族と一緒に脳神経内科に受診した.診察と検査を行ったところ Parkinson病と診断されたため，レボドパ配合剤（メネシット?）による治療を開始した.