深層学習を用いたビッカース硬さくぼみ測定技術

摘要

"硬さ"は材料の強さを表す指標であり、自動車産業 をはじめとして、あらゆる産業で用いられています。 一般的な硬さ試験では、硬質の圧子を既定の試験力で 試料表面に押込み、残ったくぼみの大きさから試料の 硬さ値を算出します。シンプルな測定法であるととも に、引張強度のように試料を壊す必要がないため、最 終検査にも利用されます。当研究グループでは、硬さ 標準を供給するとともに、硬さ標準の高度化に向けた 研究開発を行っています。 ビッカース硬さ試験では、ピラミッド形状のダイヤ モンド圧子を試料表面に既定の試験力で押込み、残っ たくぼみサイズを光学顕微鏡で測定することにより硬 さ値を算出します(図1)。対応範囲が広く、バルク材 料から薄板まで様々な試料サイズに対応でき、対象と なる材料も金属、セラミックスやプラスチックなど多 岐にわたって適用されます。