慢性腎臓病(CKD)

摘要

慢性腎臓病（chronic kidney disease ； CKD)患者は， 以下のような病態により低栄養状態になりやすい。食事制限により経口摂取量が減少し，同時にタンパク 質摂取量も減少する。尿毒症症状に伴い食欲が低下し，異化も亢進する。高度のタンパク尿がある場合は栄養素も喪失する。嘔気，腹痛，便秘，下痢といった消化器症状が高頻度 にみられる。血液が透析回路やダイァライザ一のような異物に触れ るとさまざまな炎症反応が起こり，異化が亢進する。透析療法では低分子が除去され，尿毒素とともにアミ ノ酸も喪失するため，アミノ酸プールを補うべく体タンパク質が分解される。