No Gram's stain. No judicious use.

摘要

第14回は，Fusobacterium nucleatumによる肝膿瘍の症例でした。肝膿瘍の原因菌は①胆管由来， ②門脈由来，③菌血症由来，④手術?処置由来の4経路から侵入します。侵入門戸を考えることで， 具体的な原因菌を考えることができるようになります。感染症では病態の理解が重要ですから一つず つマスターするようにしましよう。Fusobacterium spp.は細長い糸状のグラム陰性捍菌の形体が特徴的であり，グラム染色が大きな威 力を発揮します。グラム染色によって短期間で標的治療を開始することができます。偏性嫌気性菌を 含む複数菌をターゲットにする場合，抗菌薬は広域スぺクトルのタゾパクタム/ピぺラシリンやカル バぺネム系抗菌薬などになりがちですが，メトロ ニダゾール+beta-ラクタム系抗菌薬の併用療法であ れば原因菌に見合った抗菌スペクトルにできることも紹介しました。