海外動物薬情報-動物薬闘係情報誌と最新学術雑誌から一動物薬閨係情報誌と最新学術雜誌から，動物薬とそれに関連する卜ピックスを集めた

摘要

米国,ノースカロライナ州立大学からの報告。本研 究では，子豚の去勢と断尾時に投与したNSAIDの鎮 痛効果を，新しく考案した非ステロイド系抗炎症薬 (NSAID)用のPK/PDモデルで評価した。モデルの説明NSAIDの血漿夕ンパク結合率は高 く，多くが95を超える。結合した薬物分子は大きす ぎて毛細血管から出られず，ほとんどが結合型として 循環血中にとどまる。しかし，炎症を起こしている場 合は，動物の炎症部位の毛細血管には大きな隙間がで きるため，結合型はそのまま分布し，そこで薬効を発 揮する。このため健康な動物を使った体内動態試験 は，臨床的な薬効評価の情報にならない。考案したモ デルでは，まず健康な動物で通常の血中動態解析を行 い，NSAIDの経時的濃度を推定し，その推定濃度の血 中コルチゾール（COR)やプロス夕グランジンE2 (PGE2)に対する薬力学的作用，IC50(50効果抑制濃 度）とED50(50効果濃度）を測定して効果判定を行 う。CORは苦痛時に副腎髄質から血中に，PGE2は炎 症部位の組織間質から血中に出る。いずれも痛みのバ イ才マーカーである。