単孔式腹腔鏡下大腸癌手術におけるLigaSure? Marylandの有用性

摘要

当科では,右側結腸癌での手術を中心に単孔式での 腹腔鏡下大腸癌手術を行っている.その際のエネル ギーデバイスは基本的にLigaSure? Maryland （図 1）を選択し使用している.本稿では,LigaSure Marylandを用いた単孔式腹腔鏡下大腸癌手術に関し て述べる.LigaSureは2000年に本邦に導入され急速に普及 した,腹腔鏡下手術のみならず開腹手術でも使用され る場面が多いVessel sealing systemである.特徴として,LigaSureは片方のジョーにあるアクティブ 電極と,もう一方のジョーにあるリターン電極の間に 挟まれた組織に低電圧で断続的な電気出力を行うこと で熱による組織融合をもたらし,組織をシールする. 血管壁などの組織そのものを融解し癒合させることで, 永久的で高い破裂強度が得られる.また,LigaSureにもいくつかタイプがあり，腹腔鏡下手術用，開腹手 術用に分けられ，先端の形状や大きさなどに違いがある.