CMA-ESによる変数間の依存を考慮したIIRフィルタ設計

摘要

PSO（Particle Swarm Optimization）などのメタヒューリスティクスを用いたIIRフィルタ設計法が提案されている．PSOは探索早期に局所解へ収束する傾向がある．改善策として局所解を列挙するペナルティ付加PSOやCSO（Cat Swarm Optimization）とのハイブリッド手法により継続的な探索が提案されている．しかし，設計問題の目的関数がもつ変数間の依存性により，解探索が阻害されるため探索回数が増加する．また，高次の探索では設計誤差が悪化する傾向にある．本研究ではCMA-ES（Covariance Matrix Adaptation-Evolution Strategy）を用いたIIRフィルタの設計法を提案する．CMA-ESは探索点に基づく共分散行列の適応により変数間の相関関係を考慮した探索を行うことができる．設計例によりその有効性を示す．