シンポジウム8:フローサイトメトリー検査実践講座:基礎から廂用まで: 司会のことば

摘要

造血器腫瘍（白血病）の治療は、細胞の起源により治療方法が異なるため、白血病の診断は細胞抗原の種類に基づいて分類されている。白血病を診断する検査には形態による普通染色、ミエロペルオキシダーゼ（NPO）染色を代表とする細胞化学染色、フローサイトメトリー（FCM）検査がある。FCM検査は、様々なモノクローナル抗体を組み合わせることで白血病細胞が発現している抗原の種類や分化段階を推察することが可能でありFCM検査をより理解することは白血病を診断するうえで非常に意義深い。日本臨床検査医学会学術集会では、一般社団法人日本サイトメトリー学会と共催し、例年、シンポジウムを企画している。本年は、「フローサイトメトリー検査実践講座:基礎から応用まで」と題し、5人の先生方にご講演いただいた。先ず初めに、東京大学医学部附属病院検査部の西川真子先生に、「造血器腫瘍のフローサイトメトリー検査入門」と題し入門編としてFCM検査の基礎知識と典型的な白血病症例の検査結果の解釈について分かり易くご講演いただいた。